小児矯正とは
小児矯正は、大きく分けて「第一期治療」と「第二期治療」があります。顎や歯の成長、歯並びにより治療法が異なるため、治療計画によって費用や期間は変わります。
第一期治療
乳歯期、乳歯と永久歯が混在している混合歯列期に、顎のバランスや成長を細かく調整しながら、永久歯がきれいに萌え揃うようにコントロールする治療です。
歯並びや成長過程にもよりますが、6歳~10歳くらいに治療を開始すると、10ヶ月~1年半程度を目安として治療していきます。(乳歯期の受け口など、一部の治療は3~5歳となります)
第一期治療が終わった後に、永久歯が萌え揃って第二期治療を開始するまで、数年の期間が必要な場合もあります。
第二期治療
永久歯が萌え揃い、顎の成長が終わった後に行う治療です。
一般的には、中学生以上が目安となります。
第二期治療は、基本的に成人矯正と同様で、治療期間は1年半~2年半程度が平均となります。
装置の種類は、顎を広げるための拡大装置や、顎の成長を抑制するヘッドギアなど、いろいろなタイプがあります。成人矯正と同様に、ワイヤー、ブラケットなどの装置をつける歯列矯正や、マウスピース矯正などさまざまな治療法があります。
成人矯正と小児矯正(歯列矯正治療)の違い
成人になってから矯正治療を行うと、子供の時期に行う小児矯正と比べて矯正力に対して組織の反応が遅く、歯の移動に時間や身体への負担がかかることがあります。
また、顎骨の位置を改善する必要のある治療の場合、外科手術が必要になる場合があります。
小児矯正のメリットとデメリット
小児矯正のメリット
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- 永久歯を抜かなくて良い可能性が高い
- 永久歯の萌えるスペースがない場合でも、顎の成長を促したり、奥歯を移動させたりすることによってスペースを作ることができます。早期治療することにより、将来的に永久歯を抜歯することなく第二期矯正(ワイヤーなどの装置による矯正)ができる可能性が高まります。
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- 顎の成長に伴ってバランスをコントロールできる
- 健康な発育を妨げる歯並びやクセを改善し、顎とお顔の成長バランスを整えます。
また、成長によって顎関節症などの外科手術が伴う症状を避けることができます。
骨格や顎骨のコントロールは、成長期のお子様にしかできない矯正治療です。
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- お口の機能を正常に戻す
- 舌癖や指しゃぶりなどの癖は、顎骨や歯並びだけに留まらず、食事や飲み方、発声・発音にも大きく影響をもたらします。顎や歯並びに異常が出てくると、普段からお口を開ける癖を引き起こします。
口周りの筋肉や舌の動きを正しくトレーニングすることで、早期に改善を目指しましょう。
小児矯正のデメリット
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- 治療期間が長引くことがある
- 小児矯正はほとんどの場合、顎骨の成長が終わる15歳前後までは定期的に経過を観察する必要があります。そのため、矯正治療期間が長期にわたることもあります。
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- 装置や歯並びなど、見た目に影響することがある
- 矯正治療期間中は、矯正装置が見えたり、一時的に調整のために歯並びが悪くみえたり、一時的に見た目が悪くなることがあります。
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- 治療終了後、再度矯正が必要になる場合がある
- 小児矯正を行っても、その後再度矯正が必要になる場合があります。特に、下顎前突(受け口)の場合は、成長後に外科矯正が必要になるケースが多くありあます。
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- モチベーションが治療結果に影響しやすい
- ご家庭で患者様本人によって装着してもらう小児矯正治療が多いため、患者様ご本人とご家族が協力的でない場合、良い結果が出にくくなる可能性があります。
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- 虫歯になりやすい
- 装置などの影響で虫歯になりやすくなります。そのため、注意深く歯をケアすることが必要になります。